2024.06.18

無料で利用できるCMSの紹介:microCMS、ホームページいじれるくん®︎、WordPress、Drupal

更新日:2024.10.07

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無料で利用できるCMSの紹介:microCMS、ホームページいじれるくん®︎、WordPress、Drupal

CMS(コンテンツ管理システム)は、コードの知識がなくてもウェブサイトを構築できるツールです。初心者でも扱いやすく、無料で利用できるCMSがいくつか存在します。今回は、完全無料、または無料で利用できる期間のあるCMS、として、ホームページいじれるくん®︎WordPressDrupalmicroCMS の4つを取り上げ、それぞれの特徴と無料プランの詳細を掘り下げて紹介します。

この中でホームページいじれるくん®︎だけは、無料CMSの概念を変える、かなり便利で良心的サービスである点も後述します。

1. microCMS(無料期間あり)

microCMSは、日本発のヘッドレスCMSとして人気があります。ヘッドレスCMSとは、管理画面とフロントエンド(表示部分)が分離しているタイプのCMSで、APIを使ってデータをやりとりします。特にフロントエンドのカスタマイズ性を重視する開発者に向いていますが、初心者にも使いやすいUIを持っています。

特徴:

  • シンプルなUI:管理画面が直感的で初心者にも使いやすい設計です。
  • APIベース:APIを通じてデータをやりとりするため、フロントエンドの自由度が非常に高いです。
  • 高いパフォーマンス:APIベースの構造により、ページ表示速度が速く、パフォーマンスに優れています。

無料プランの詳細:

  • 無料利用可能:無料プランでは月間1万リクエストまでAPIを利用でき、初心者が小規模なサイトを運営するには十分な量です。
  • 保存容量:1サイトにつき1GBまでのコンテンツ保存が可能。
  • サポート:基本的なドキュメントとコミュニティサポートを利用できますが、カスタマーサポートは有料プラン向けです。

初心者向けポイント:

  • テンプレートの利用:APIの使い方が不安な場合でも、事前に用意されたテンプレートを使って簡単にサイトを作成できます。
  • コーディング不要:基本的には管理画面での操作でサイトのコンテンツ管理ができ、難しいプログラミングは不要です。

どのような現場で使われている?

筆者の印象としては、開発担当とデザインおよびマークアップの担当とを分離し効率よい運用が求められる大規模な案件で使われていることが多い印象です。
オープンソースでは無いので、ワードプレスとは違いしっかり開発元の会社からサポートを受けながら開発等進められる安心感はあります。
ワードプレスは担当する会社のサポートに頼ることになるのでお願いしている会社によって対応がまちまちになってしまうというリスクがあります。
開発者に強い権限がある場合は導入の選択肢に入ってきやすいCMSという印象です。

実際の運用現場で使ってみての感想

使い勝手はワードプレスなどと似た感じで特に使いづらさは無いです。いきなり本番化を避けるためにプレビュー機能はあるのですが、実際は開発環境と本番環境とで分けて運用し、開発環境で投入したものを開発環境でチェックし、問題なければ本番環境に投入するという2重の手間をかける運用を採用していることがあり、その場合、コピペで手軽に移設できない問題があります。画像を本番にもアップして、入れ替えて、コピペで反映されない文字の装飾的なところを1つ1つ再現しないといけないという手間があります。(ワードプレスも一部同様)
また結局開発が必要なので開発費用は高くつく印象です。

2. WordPress(無料)

WordPressは世界で最も利用されているCMSの1つです。ブログやコーポレートサイト、ECサイトまで幅広く対応しており、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。プラグインやテーマの豊富さが特徴で、拡張性が非常に高いです。

特徴:

  • 豊富なテーマとプラグイン:デザインのカスタマイズや機能追加がプラグインで簡単にできます。無料・有料を含め、膨大な数のテーマやプラグインが用意されています。
  • オープンソース:完全無料で始められ、自己ホスティング型のWordPressは自由度の高いサイト運営が可能です。
  • SEOに強い:SEO対策のためのプラグインが充実しており、検索エンジンのランキング向上を目指した設定が簡単にできます。

無料プランの詳細:

  • 無料プランのURLでは無料でホスティングサービスが提供されていますが、カスタムドメインの利用や広告表示がある点に注意が必要です。
  • ストレージ:1GBまでのストレージが無料で利用できます。小規模なサイトには十分ですが、メディアファイルが増えると有料プランへの移行が必要になる場合があります。

初心者向けポイント:

  • カスタマイズの自由度:初心者でもプラグインを活用すれば、専門的な知識なしに機能を追加できます。
  • 学習リソースが豊富:オンラインでのチュートリアルやサポートフォーラムが非常に充実しているため、初心者でも学びながら運営を進めることが可能です。

どのような現場で使われている?

筆者の印象としては、とても幅広い現場で使われている印象です。
オープンソースで誰でも自由に扱えるという性質上、対応業者によって金額もサポートも様々です。
細かなクライアントの要望も対応できるキャパはありますが結局プログラミング技術を伴って対応しないとその辺りは難しいと思います。
デフォルトの内容とプラグインだけで対応しがちでそれだけで対応しようとするとクライアントの要望に応えられず行き詰まることも多い印象です。
扱える技術者が多い印象なので様々な開発案件のベースとなるプラットフォームとして活用されている印象です。
ワードプレス自体は無償ですが、開発費用と、セキュリティ面で攻撃にさらされ続けている分、バージョンアップなどの運用面で費用がかかっている印象です。

実際の運用現場で使ってみての感想

使い勝手は旧来の操作画面ではワードなどと同じ感覚で扱えるのでパソコンにある程度慣れていれば問題ない印象です。
取説があって手順がわかれば特に初心者でもそれに従って対応することで問題なく扱えると思います。

導入はそれなりにwebの知識が必要な為、無料といっても誰もが簡単に扱えるようなものではなく要注意。
この点を勘違いされる場合も多々見られます。

また、更新できる部分を綿密に構築する必要があり、自分で更新したいページが多ければ多いほどコストも時間もかかってしまいます。

3. Drupal(無料)

Drupalは、より技術的なユーザーや開発者向けのCMSとして知られていますが、自由度の高さから初心者でも使いこなす価値があります。特に中~大規模のサイトに向いており、柔軟なコンテンツ管理機能を持っています。

特徴:

  • 高い拡張性:WordPressと同様に、プラグイン(Drupalではモジュールと呼びます)が豊富で、あらゆる機能を追加できます。特に複雑な権限設定やコンテンツ管理が求められる場合に強みを発揮します。
  • セキュリティに優れる:高度なセキュリティ対策が組み込まれており、大規模な企業や政府機関のサイトにも採用されています。政府機関、教育関係機関、金融、NGO、国際機関などで使われることが多いです。
  • コミュニティサポート:オープンソースプロジェクトとして、活発なコミュニティがサポートを提供しています。

無料プランの詳細:

  • オープンソース:Drupal自体は完全無料で使用でき、インストールに関しても費用はかかりません。
  • ホスティングは別途必要:WordPressと同様、自己ホスティング型なので、サーバーを用意する必要があります。レンタルサーバーやVPSなどで動かすことが一般的です。

初心者向けポイント:

  • 柔軟なコンテンツ管理:Drupalのモジュールを活用すれば、コンテンツの細かな分類や権限設定が可能です。初期設定には多少時間がかかりますが、一度設定すれば複雑なサイト運営にも対応できます。
  • カスタマイズの可能性:HTMLやCSS、PHPの基礎を学ぶことで、より高度なカスタマイズが可能です。

どのような現場で使われている?

筆者の印象としては、幅広いとまでいかないが使われている印象です。
オープンソースで誰でも自由に扱えるという性質上、対応業者によって金額もサポートも他様々です。対応するための技術力はワードプレスより高めです。
同じオープンソースのワードプレスに勢いがあるので、小規模〜中規模案件ではあまりお目にかからない感じになってきている印象ですが、セキュリティ重視のサイトでは重宝されていると思います。

実際の運用現場で使ってみての感想

使い勝手は旧来の操作画面ではワードなどと同じ感覚で扱えるのでパソコンにある程度慣れていれば問題ない印象です。
取説があって手順がわかれば特に初心者でもそれに従って対応することで問題なく扱えると思います。

こちらも運用面は上述の通りですが導入はそれなりのスキルが必要。

4. ホームページいじれるくん®︎(FREEは完全無料)

ホームページいじれるくん®︎は、初心者向けです。導入時スピードを重視をする案件向けです。ホームページに関するあらゆるリテラシーがない状態でも、スマートフォンやタブレットやパソコンが触れる知識があればホームページの編集ができる便利なCMSです。

特徴:

  • わかりやすい操作感:他のどのCMSとも違い、見たまま編集画面なので、実際のページをそのまま編集している感覚です。編集したいところをタップするだけの非常にわかりやすいUIです。
  • スピード導入:今存在しているサイトにプログラムを導入するだけなので、開発という概念がほぼありません。ただしニュースなどの増加&連動型コンテンツは少し開発が必要となります。
  • ホームページいじれるくん®︎が無くてもサイト自体は存在できる:ホームページいじれるくん®︎は実在するhtmlやphpファイルを編集する、または実在するファイルとして生成するため、ホームページいじれるくん®︎自体が無くてもサイトは成立します。この点が他のどのCMSとも異なる点です。サイトの独立性が保たれます。
  • 開発元が全てサポート:オープンソースではないためmicroCMS同様開発元がサポートを行なっています。

無料プランの詳細:

  • ホームページいじれるくん®︎FREE:完全無料で使用でき、必要なのは編集したいページのURLだけです。
  • 編集したデータをダウンロード可能:htmlデータや使用した画像などをまとめてzip圧縮された状態でダウンロード可能。サーバーへのアップは自身で対応が必要です。ボタンひとつでスムーズな本番化やテストアップなど行いたい場合は有料プランへの契約とサーバーへのプログラム設置が必要になります。

初心者向けポイント:

  • UIがとてもシンプル:UIがとてもシンプルなので使いやすいです。また有料版のUIもとてもシンプルで高機能。差分データ抽出機能など便利機能も備えています。
  • 必要最低限の基本的な機能がある:一般に求められる基本的な機能は備えています。例えば予約公開、テストアップ、ニュースの記事固定機能などです。

どのような現場で使われている?

有料版の金額がかなりリーズナブルなので小規模案件やLPで使われている印象です。
また開発がほぼ不要で、条件はあるもののどんなページにも基本的には対応できるため、サイトノ全てのページを何もせずに更新できるようになってしまうところが凄い。

実際の運用現場で使ってみての感想

使い勝手は他のCMSと全く異なり管理画面然としていないこともあり、誰でも感覚的に扱える印象です。
取説いらずの印象です。ページを「編集すること」が得意なので、ページ内の要素を書き換えたいような場合には手軽に安く導入でき実力が発揮される思います。

他のCMSのように開発という概念がほぼないところも魅力的。

まとめ

4つのCMSを比較すると、それぞれの特性が異なるため、用途や運用規模に応じて選択肢が変わってきます。

  • microCMSは、ヘッドレスCMSを採用したシンプルで高性能なCMSで、APIベースの運用に興味がある場合に最適です。
  • WordPressは、テーマやプラグインが充実しており、様々なサイトで採用されていることもあり、UI含め一度は触ったことがあるという経験者も多いため一番取り掛かりやすいCMSと言えます。簡単に使い始めることができ、カスタマイズも容易です。
  • Drupalは、初期学習コストは高いですが、大規模で高度なカスタマイズが求められるサイト運営に最適です。技術に自信がある人に向いています。
  • ホームページいじれるくん®︎は、大規模でなければあらゆる面で非常に魅力的なCMSです。

    特に、導入にあたってサイトに「組み込む」という概念が当たり前のCMS界隈の常識からの逸脱し、サービスサイトのページにURLを入れるだけで編集でき、しかも、HTMLやアップした画像類をダウンロードできてしまうという無料サービスは、かなりお得です。

    編集前と後のソースを見比べても手を加えていないところのソースの差異はほぼ無く、何か追跡関係のタグなどを埋め込まれていることも皆無で、全くもって良心的なサービスであることが分かります。

    普通のHTMLファイルなのでセキュリティの心配もほぼ無いと言え、実際の仕事現場において安心して利用できるのではないでしょうか。

このように、それぞれのCMSには特徴があり、無料で使い始めることが可能です。まずは、自分のサイトのニーズに合ったものを試してみることをお勧めします。

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